慰謝料の算定にあたって
正確な統計をとっているわけではありませんが,約8割の事件が100万円から300万円の中に納まっていると思います。300万円以上の慰謝料が認められるケースは稀です。
慰謝料の金額を考えるにあたっては,婚姻期間,不倫に至る経緯,不倫の期間,不貞行為の回数,不貞行為開始前の夫婦関係などの様々な要素を考慮する必要があります。
また,配偶者の不倫相手に慰謝料請求を行うにあたっては,不貞行為を行ったことによる慰謝料なのか,不倫が原因で離婚に至ったことによる慰謝料なのかを区別して,金額を算出した方がよいです。
不倫が原因で,離婚に至ったという場合で,不倫相手に対する離婚慰謝料が認められるのは,不倫相手が,単に夫婦の一方との間で不貞行為に及ぶにとどまらず,当該夫婦を離婚させることを意図してその婚姻関係に対する不当な干渉をするなどして当該夫婦を離婚のやむなきに至らしめたものと評価すべき特段の事情があるときに限られます。