遺留分権者
遺留分侵害額請求ができるのは,被相続人の配偶者,子,孫,ひ孫,親,祖父母などです。兄弟姉妹及び甥,姪などは,遺留分権者ではありません。
遺留分権者は,①受遺者,②特定財産承継遺言(いわゆる相続させる旨の遺言)により財産を承継した者,③相続分の指定を受けた相続人,④受贈者に対して,遺留分侵害額請求権を行使することとなります。
遺言作成との関係
遺言の作成との関係で重要なのは,遺言作成者の推定相続人に兄弟姉妹が含まれている場合です。兄弟姉妹が相続人になるパターンは,③と⑦です。この場合,被相続人は,全ての財産を特定の推定相続人なり,第三者なりに遺贈したとしても,兄弟姉妹は遺留分を有しないので,後日,遺留分が紛争の種になることはありません。遺言作成者が兄弟姉妹に相続財産を渡したくない場合には,遺言を作成しておくべきでしょう。
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 | 法定相続人 | 法定相続分 | 
| ① | 配偶者+子 | 配偶者=2分の1 子=2分の1 | 
| ② | 配偶者+親 | 配偶者=3分の2 親=3分の1 | 
| ③ | 配偶者+兄弟姉妹 | 配偶者=4分の3 兄弟姉妹=4分の1 | 
| ④ | 配偶者のみ | 全て配偶者 | 
| ⑤ | 子(配偶者がいない場合) | 全て子 | 
| ⑥ | 親(配偶者・子がいない場合) | 全て親 | 
| ⑦ | 兄弟姉妹(配偶者・子・親がいない場合) | 全て兄弟姉妹 | 
 
  
 

 
  
 